寺の日々、あれこれ

草抜きと下座行

2020/06/16

こんにちは。持明院の寺嫁です。

先日、梅雨入り前にお墓の草抜きが終わりました。

 

草を抜くために、手をつき、地面に顔を近づけると、立っていては見えなかったものがたくさん見えてきます。

 

 

草のちいさな双葉

いろんな種類の雑草、その葉っぱの形や可憐な花

ダンゴムシや、餌を運ぶアリや、名前も知らない虫たち

おもしろい形の石ころ…

 

 

そして、それらを眺めながら草抜きをしていると無心になります。

心と頭の中がいったん空っぽになって、それからいろいろと考えが巡り、不思議とすっきりとその考えがまとまるのです。

終わってみると、「あ~、なんか(境内も頭の中も)すっきり。気持ちがいいなぁ」となります。

 

きっと多くの方が掃除をすると同じような気持ちになったことがあるのではないでしょうか。

 

 

 

仏教では掃除のことを別名「下座行」と言い、修行の一つとしています。

 

掃除はその場の景観をきれいにするだけでなく、自分の心をも磨き、清めるからです。

 

掃除は一度しても、また汚れてくるので何度も何度も繰り返しする必要があります。

(我が家のように・・・!)

 

 

同じように心にも繰り返し掃除が必要です。

いろいろな経験を重ねる中で心にも垢や塵がたまってしまいます。

小さなことでイライラして不満をもったり、高慢になったり、自分を低く評価されたことに情けなさを感じ涙したり…

 

 

掃除に無心になって取り組むと

「あっ、こんなところにも汚れがあった」

「ここはもっとこうしたらきれいになるんじゃないかな?」

と、様々な気づきが生まれますが、

 

それと同じように自分自身に対しても

「こんなことで不満を持ってしまった。自分は高慢に思い上がっていた。」

「もっと考え方を変えたら不満や高慢さを抱くことがなくなるのでは?」

などなど、自分の内面を振り返り気づける静かな時間にもなるので、掃除は心の垢を見つめ直す機会になります。

そして、それを定期的・継続的に続けていく…

(それが一番大変なのかもしれません)

 

 

掃除は、心を整え軽くする時間。

そう思うと季節ごとの草抜きも楽しみに思えてきます。

 

広島県新四国八十八ヶ所24番札所 

戸坂のお地蔵さん 広島 真言宗 持明院

 

 

───── お知らせ  ─────

 

毎月24日はお地蔵さまとご縁を結べる縁日です。

11時から本堂にて護摩を焚き、ご供養ご祈願をしております。

お気軽にお参りください。

 

─────────────────